ハンク・ジョーンズ
ハンク・ジョーンズが亡くなりましたね。
享年91歳だそうです。
ジャズのミュージシャンの中では、驚きのご長寿ですな。
「ご長寿早押しクイズ」に出られるミュージシャンは、そういないからね。
(あのコーナー復活してほしい)
これだけ長生きできたということは、
酒もタバコも女もクスリも、
きっと、ほどほどに控えていたのでしょう。
(女は別にいいか)
真面目そうな人だし、
基本的にストイックな人が多いからね、ジャズミュージシャンは。
'80年代に、パナソニックのCMで、笑顔で「ヤルモンダ!」と
言いながらピアノを弾いていた姿は、印象には残っているものの、
当時ジャズの「ジ」の字も知らなかった私には、
なんとも陽気な、ただの「ヤルモンダおじさん」にしか映らなかった。
だから、その後しばらくしてジャズピアノというものに触れ、
憧れ、追いかけるようになって初めて、
あの、ただの「ヤルモンダおじさん」が、実は只者じゃなかったことを
知ったのであった。
遅い。
だいたい私は、どんなことでも、どんなジャンルにおいてでも、
人より5年から10年、気がつくのが遅いのだ。
私が気づいた頃には、世の中のほとんどの人たちが既に知っており、
「あれ、今ごろ?」的な状態になっていることが、
本当にしばしば。
こちらは目をしばしば。
なのである。
情けないのです。
いやまったく。
それにしても、近年のヤルモンダおじさんの活躍ぶりには
目を見張った方も多いでしょう。
80も後半になってから、いったい何度来日したでしょうか。
呼ぶほうも呼ぶほうだが、来る方もどうかと思うよ。
・・・てなくらい、よく来て下さいました。
10時間以上飛行機にゆられて、でしょ?
それとも、もっと近いのかな?
西海岸にお住いだったのかしら?
そんなことはいいとして、
私はテレビで何度か拝見しましたけどね、
いやー、うちのブラウン管な奴で聞いても、シビレましたね。
なんて温かい音。
ああそうだ。ピアノは、木で出来てたんだっけ。
そんなことを思う。この人の音を聞いてると。
こんなピアニストは初めてでした。
すっかり肩の力が抜けた、往年の名演奏。
音に対する集中力は、変わらぬまま。
ピアノトリオでも、オーケストラとの共演も、
懐の深さに、そのまま身をゆだねて、
楽しそうに乗っかって、飛び跳ねてる。
こんな境地になるには、85歳までは少なくとも生きなければいけない。
その前になど、死んでも死んではいけないのだ。
ん?
日本語はややこしいのだ。
まぁよい。
どなたか、真面目なインタビューの合い間に、
長生きの秘訣などをうまく聞き出せた人は
いるのだろうか?